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なぜ「分かりにくい本」は分かりにくいのか?「大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる」から学ぶ

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「東大教授」はあくまでも東大生のために存在している

先日購入した実用書を読んでいて「何でこんなに読みにくいのか?」と疑問が浮かんできました。中身が全く頭に入ってこないんです。

もちろん私の頭の不出来な部分が悪いのは承知なのですが、それでも書き方の悪いと思うところも多々あるわけです。

そこで、今回は、なぜ分かりにくい本は分かりにくいのかというところを考えた所存です。

タイトルと内容の相違

まず思うところとしては、内容に対してタイトルがそぐわないという点が、1つ内容の理解を妨げているのではないかと思います。


ちなみに、今回読みにくいと思ってしまった書籍は

大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる

というタイトルの書籍です。

このタイトルから私が想像したのは「経済の仕組みについて、分かりやすくまとまっている内容の書籍なんだろうな。」ということです。


4年間分の内容が10時間で勉強できるんですよ?


それはそれは、分かりやすくまとまっていなければ、到底こんな異常な圧縮率には出来ません。だから、概要的に分かりやすくまとまっているんだろうという先入観を持ってしまっていました。


ちなみに、ブログの場合はこの現象とは反対のことが起きています。私のブログも例に漏れずそうだと思いますが、タイトルに対して、内容が薄すぎるというお話ですね。今回の書籍の場合、濃すぎました。


それで、1つ見逃していたのが「学」という文字です。


あくまでも学問としての「経済学」を教えるという内容であって、社会の仕組みを丁寧に教えてくれるような内容では無かったわけです。


このように、タイトルについては、多くの勘違いを生む要因が含まれているので、言うまでもないですが、購入しようと思っている書籍のタイトルはよく確認した方が良いです。

用語の定義とイメージ

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恐らく、経済について難しさを感じる原因として「用語が難しい」という点があると思います。


実際に、本書でも、代替効果・所得効果・限界コスト・弾力性・効用といった、分かるようでいまいちふわふわしている用語が色々出てくるのです。


もし経済について分かりやすく説明しようと思ったら、まずこれらの言葉の意味を、リアルな世界でのイメージに置き換えさせる努力が必要になってくるはずです。


ところが、いまいちその過程が不足しているように思います。


もちろん「経済学」なので、正確な定義を解説するのは良いのだけれど、いまいち咀嚼できないまま次に進んでいって、どんどん理解率が低下して行ってしまいます。


1つの単語ですらいまいちイメージ出来ていないのに、文章の中に2つも3つも連続して曖昧な単語が入ってくるから理解が進まないんです。


過剰な圧縮率のせいでイメージを定着させる段階を省かざるを得なかったのでしょうか?


定義からイメージへのトランスレートは一番大事な部分だし、ちゃんと理解が進んでいる人にしかできない作業です。定義を知るだけなら、正直ネットで事足ります。専門家がかみ砕いたイメージにこそ意味があると思っているので、その部分が非常に残念です。


もちろん本書でも例に例えて説明する努力はされているんだけれど「リンゴとみかん」を例えに使う教科書のようなセンスには恐れ入りました。


教科書類も非常に分かりにくいですよね。あくまで正確さを求める余りに、内容の本質を理解させない立ち回りは非常に良くない方向性だと思います。

まとめ

詰まる所、買った本が分かりにくすぎて愚痴を吐きだしたかっただけですが、

・タイトルと想定読者の想像とのずれが無い書籍

・専門家が定義から咀嚼したイメージを教えて、定着させてくれる書籍

が良い書籍だと思っています。

つまり、そこに反する本(実用書)は必然的に分かりにくくなってくるわけです。


もちろん文章でイメージを伝えるも良し、絵やグラフで伝えるも良しですが、想定読者のレベルを考えて工夫する必要があるということですね。


「東大教授」はあくまでも東大生のために存在しているようです。では、また。

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