英語の「The」の表すニュアンスの違いを哲学から学ぼう

こんにちは、Ichi先輩(@Abstract1Life)です。

今回の記事では英語の「The」の持っているニュアンスや意味について、哲学のお話を元にして根本的なところから考え方をお伝えします。

「The」の使い方については適当に「A」と使い分けている人もいるかもしれませんが、今回の話を読んでいただけると理解を深めていただけるのかなと思っています。

今回はプラトンアリストテレスを例に挙げてお話します

プラトン式「The」の考え方

プラトンはギリシアの哲学者で「イデア論」を唱えた人です。

簡単に「イデア論」を説明すると、この世のすべてのモノには神が作った理想形・本質(イデア)があるけれど、我々に見えているモノは全てイデアには到達できていないイデアの劣化版であるという事を説いている話です。

例えば、コップがあるとします。このコップは職人が作ったものですが、どこからそのアイデアが生まれてきたのだろう?と考えるワケです。

プラトンは、きっとその考えには根本となる本質的なコップ(イデア)があると主張しているんですね。ちなみにこの「イデア」は現在の「アイデア」の語源と言われています。

 

この、モノには常に「理想形・本質(イデア)がある」という考え方から、「The」の総称用法という使い方が生まれています。

総称用法の「The」は「~というもの」という意味を持っています。

総称用法で「The moon」と言っている場合には、見えている月の話をしているのではなく、「月というもの」その本質について話していることになります。

アリストテレス式「The」の考え方

アリストテレスもギリシアの哲学者で、プラトンの弟子です。

ただ、プラトンの考え方に同意していたワケではなく「本質(イデア)なんかは無くて、多くのものに共通したことが、そのモノを表している」んだと主張しています。

例えば、美人を100人集めた時に共通する事を探して、コップを100個集めた時に共通する事を探して、それぞれに出てきた共通点・結論こそがそのモノを表しているんだと考えました。

この考え方から「The」の限定用法という使い方が生まれています。

限定用法の「The」は「典型的な~」という意味を持っています。

限定用法で「The moon」と言っている場合には「典型的な月」の話をしていることになります。

おわりに

こんな感じで大きく「The」の用法は2つに分かれています。

「The」の使い方となると「共通認識が~」「一度見たものは~」という話になりますが、この大きな意味を知っておけば、「A」との使い方の違いを理解しやすいと思います。