腎臓の結石を破砕(ESWL)した「痛いいいい」体験レポート

こんにちは、Ichi先輩@Abstract1Life)です。

以前から私のチャームポイントだった”痛風“に加えて、新たに”結石“というアイデンティティを手に入れたので、このようにしてレポートにして体験を共有できればと思っています。

私の痛風事情に関しては下記リンクからご確認ください。

痛風とは?25歳で痛風になった私が死ぬほど痛い初期症状と治療内容を解説

腎臓の結石発見までの道のり

背部の鈍痛に気づく

2017年の年の末、なんとなく背部から下腹部にかけて鈍い痛みを感じるようになります。

元々お腹があまり強く無いので「いつもの腹痛かな?」と思いつつ、しぶり腹というか、トイレに行っても特に解消されない感じで、不思議に思っていました。

なんとなく鈍痛を感じるようになって、2、3日後、仕事の終了定時が近づいた頃に、いつもの鈍い痛みとは少し一線を画すような強い痛みを感じます。

全身状態もなんとなくだるい感じで、定時少し前に逃げ帰るようにして帰宅の途につきました。

帰宅途中の電車内でも、背部痛は大きくなり、少し寒気すら感じて倦怠感が強まります。吊り革につかまるというより、吊られる様な姿勢で自宅までたどり着いたことを思い出します。

通常の腹痛や風邪などとは違った症状だったため、背部という位置からしても腎臓系の炎症だと思っていたのですが、熱を測ってみるも、36.5度で平熱だったので、炎症っぽくないなと感じつつ、倦怠感と鈍痛は続きました。

ちなみに、トイレに行くと、濃縮尿とは一味違う、少し赤い尿が出ていて、

「ははぁん、コレ血尿ですねっ!」

って明らかに肉眼で確認できる血尿との衝撃の出会いを果たしました。あれは結構焦りますね。

夜に緊急で病院に行こうかとも思ったのですが、痛みも収まってきて、そこまで強いものではなかったので、次の日の午前中に外来に行くことにしたのでした。

病院での診断

小さな病院では十分な検査の機器が揃っていなくて、病院をハシゴする可能性が見え見えだったので、最初から少し大きめの病院に受付開始時間ぴったりに到着しました。

ところが、待てど待てど自分の順番は回ってこなくて、8時に行って呼ばれたのは10時30分頃でした。朝早くから押し寄せる高齢者の大群はどうにかならんのかね?むしろ、8時に受付開始だって書いてあるのに、明らかにその時間前から受付をしてしまう病院側もどうかと思うよ?高齢者のクレーム対策だと思うんだけどさ…。

という事で、エコー、尿検査、レントゲン、CTと各種検査をして、無事に腎盂結石と診断されたワケです。腎盂というのは、腎臓の本体から尿管に繋がる手前の部分の事です。

鈍痛が出ていたのは、この腎盂にある結石が、尿管に一回落ちて尿管をふさいで腎臓の内圧が高まっていたからで、検査した日には、落ちかけていた石がまた腎盂の方に戻っていたために痛みが和らいでいたという状況になっていました。

ちなみに”痛風”つまり、高尿酸血症のために尿酸結石が出来たと思っている方がいらっしゃるかもしれませんが、レントゲンに写ったので、恐らく尿酸由来の結石では無いと思います(尿酸結石の方がネタ的においしかったけれど…。)。

石のサイズは7mm×5mm程で、分類的には大きな結石とされるようです。

7~8mm程度までは自然排泄が期待されるので、その日は尿管を拡張する薬と痛み止めの薬をもらって帰宅したのでした。

結石の破砕(ESWL)の選択

次回の外来も予約していたので、もう一度状況を確認したのですが、やはり大きめなので、自然排出では無くて、何かしら介入した方が良さそうだという事になりました。

選択肢は2つで、結石を衝撃波で破砕するか、内視鏡で石自体を砕いて取り出すかという事でした。

①体外衝撃波結石破砕術(ESWL)

こちらの手法は、身体の外側から衝撃波を出す機械を当てて、結石に焦点を当てて、石を砕き、自然排出させやすくする手法です。

身体への侵襲が少なく、日帰りや1泊2日の入院で済みます。

②経尿道的結石砕石術(TUL)

こちらの手法は、尿道から内視鏡を入れて、結石の所までたどり着いて、内部から石を砕いて、そのまま石を取り出すという手法です。

全身麻酔での手術になるので、最低でも2~3日の入院が必要になります。

どちらの方法にもメリット・デメリットがあって、

・ESWLだと侵襲が少ないけれど、砕ける確率が70~80%程で、石を直接取り出すワケではないので、砕いた石が尿管に詰まって痛みが生じる可能性がある点。

・TULだと、尿管に異常が無い場合は高い確率で確実に石を除去できるが、全身麻酔が必要で、身体への侵襲も高いという点。

色々悩んだのですが、私自身は①の破砕の方法を選んで、いざ、当日を迎えたワケです。

破砕の当日の出来事

結石の破砕前~破砕まで

当日は朝から絶食で、1泊2日の入院の予定でした。

まず、病衣に着替えて、抗菌薬投与や水分補給のために点滴を入れます。4人部屋で適当に過ごしていると、検査に行って、午前中に早速、結石の破砕を行うことになりました。

麻酔とかは特になく、痛み止めの座薬を入れて、いざ出陣です。

破砕室には大きなストレッチャー様の台があって、腎臓の当たる部分だけ空けられるようなへこみが付いていました。

そのベッド上では、常にレントゲン透過が出来るようになっていて、位置を合わせて、何度か調整します。

そして、皮膚保護用のワセリンを塗った後、水風船の様なモノが腎臓部分の下側のへこみから浮き上がって密着します。

今回は腎臓が近かったという事で、尿管に結石がある場合よりも、少し出力を抑えて、徐々に出力を上げていくという事で実施していただきました。

「始めますねー!」という、程よくゆるい声かけの後に、パチンパチンという音とともに、腎臓の外側辺りの肌がペチペチと弾けるような感じの感覚がします。言うならば、輪ゴムで弾かれるような感覚ですかね。

全部で2800発の衝撃波を当てて約1時間で終了したのですが、最初は本当にペチペチ楽しい感じだったのです。ただ、途中から、鞭で叩かれているような感覚で

これが鞭打かっ!

と刃牙を思い出しました。

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鞭打の皮膚へのダメージもそれなりに痛いのですが、それ以上に、内臓にダメージを食らっているという感覚が強く、確実に内部にダメージが蓄積していくのを感じました。

この衝撃波はあれですね、スプラトゥーンで言うところのブラスターです。根元部分もダメージはあるんですが、確実に先っぽで爆発する感じ。

内臓へのダメージが蓄積して、割と耐えきれないような痛みの感じになって、タオルを投げ込もうか(ナースコールを押そうか)と思った辺りで、無事に終了しました。

移動は念のために車いすで行って、レントゲンを再び撮影して、終了しました。

結石の破砕後

一連の行程が終わって、自分の病室に戻った後、トイレに行った後には、必ず尿量と性状と排石の有無を確認するように看護師さん言われます。

結石破砕後の一発目は、自分でもドン引きするような赤黒い血尿でした。

一応写真は撮ったんですが、ブログに乗せるような感じでも無いので、封印しておきます(どうしても見たいという珍しい方はツイッターのDMで受け付けます)。

破砕後に撮ったレントゲンを医師と確認しながら、2つに割れているのを確認して、若いし、合併症も無いということで、1泊2日の予定だったところを、日帰りに変更していただき、無事に日帰り入院となったのでした。

昼飯(病院食)はちゃんと食いました

日帰り入院後の自宅にて

さてさて、家に帰ってきて、のん気に夕飯を食べて、スプラトゥーンでもしようと思っていたのですが、20時を過ぎた頃に、背部に鈍痛が出てきたのです。

鈍痛どころかどんどん激しさを増して、疝痛になってきます。

ただ、痛みにも波があって、周期的に容赦なく襲ってきます。これは、恐らく割れた結石が尿管に詰まったことによる腎内圧の向上による痛みですね。

お腹が痛い感じの最上級が永遠に終わらない感じの絶望感があります。

そもそも三大激痛と言われていますから、痛くないワケがないですよね(尿管結石・群発頭痛・心筋梗塞)。

人によっては出産の痛みと同等だとか、それ以上という方もいるみたいです。

20時ぐらいから始まって、痛みの波がありつつ、2時過ぎ位に痛みのピークがやってきました。声を出さずにはいられなくて、常に

あぁああああ、うぅううう、痛いいいい、っあああ

と唸るようにつぶやいていました。


痛みのピークの時は本当に1ミリたりとも動けず、救急車を呼ぶかどうかを本当に悩みました

あのな、痛風の時にも言ったけど…

痛み止めとか効かねえからな!

でも、どうせ、救急車で運ばれても、痛み止め追加して点滴で水分追加するだけだし、どのみち耐えるしかないのだからと思いながら耐えていたら、いつの間にか気を失っていました。気が付いたら朝です。

退院前に看護師さんからも「水分はいっぱい取ってくださいね!」と言われていて、この記事を書いている今も大量に水分を摂取しています。

もちろんお水ですよ。アルコールは腎臓に負荷をかけるのでNGです。

ただ、まだ排石出来てないんですよね…。はやく…出ておいで…。

というワケで、腎臓に結石が出来てからの一連の流れでした。

痛風ほどでは無いですが、やはり男性に多い病気なので、常日頃から水分をいっぱい摂取するようにして予防を心がけましょう。痛風もだけど、めっちゃ痛いよ!

では、また排石出来たら追記します…。

追記

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ESWL後、5日目にしてようやく排石されました!

毎日死ぬほど水を飲み続けて、それでもなお、朝や夜に背部痛と内臓の違和感を感じていたのですが、何とか鎮痛剤の座薬で耐えていました。

4日間程は基本的に安静にするようにしてお水だけ飲んでいたのですが、排石された5日目は仕事の関係で、結構な距離を歩いたり移動が多かったので、コレ(運動)が排石に効いたのではないかと思っています。

なかなか排石されないという方には、もちろん水分補給は欠かさずに、疼痛時以外の時間の運動(ウォーキングや階段の昇り降り)をおすすめします。