あと10年生きるつもりなら読んだ方がいい!これからの世界を作る仲間たちへ【書評・レビュー】

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とにかく、あと10年生きるつもりだったら読んだ方がいい。

今回紹介する本は落合陽一先生の著書「これから世界をつくる仲間たちへ」です。

前作の「魔法の世紀」に続いて、2作目の著書となります。「魔法の世紀」は、いかにして現代が再魔術化してきたかという変遷の歴史と、メディアの移り変わりについて、学術寄りの視点から述べていた著書でした。

それに比べて本作では、テクノロジーが進化していく時代における

じゃあ具体的にどうしたらいいの?

という疑問に理解しやすい例えを用いて解説してくれます。
魔法の世紀に比べたら圧倒的に読みやすいので、プロローグだけでも目を通して欲しいです。

1.どんな本?あらすじは?

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要するに、人工知能が賢くなっていくと、大多数のホワイトカラー(管理職などの頭脳労働者)は必要なくなってくるので、そこを目指すのではなく、専門性を持った「クリエイティブクラス」にならなきゃいけないということを説いています。


原理が分からないけど、何かスゴイ事・便利な事は、はるか昔から「魔法・魔術」として扱われてきましたが、少し昔にこの原理は明らかにされて、いわゆる「脱魔術化」が起きました。


しかし、インターネットやクレジットカードなど世の中に便利なシステムが普及するにつれて、世界は「再魔術化」してきています。はるか昔と違うのは、一部の人間はこの魔法の仕組みを知っていて、魔法をかける側の人間になっていることです。


この魔法をかける側の人間が「クリエイティブクラス」なのです。


こういった、現在の世の中がどんな風に動いていくのかということを、コンピューターや情報といった視点から、説得力のある文章で語りかけているのが本書の内容です。

2.他の本と比べてどこがすごい?どこが面白い?

著者は、今世の中に溢れている自己啓発本は「意識だけ高い系」の読み物であって、大体のものが良いホワイトカラーになる為の本と化していると主張しています。


人脈評価されない活動歴を自慢げに語る「意識だけ高い系」を


Wikipediaの劣化版


と言う著者の発言は痛快です。


誰かを目指して、その人の劣化版コピーになったり、ネットに聞いた方が早いし良い回答を得られるような、意識だけ高い系になってしまわぬように、それを避けるための大きな枠組みとしての「生き方」を説いているのが本書のすごい点だと感じています。

3.この本の1番の魅力的なポイントは?

本来難しいであろう内容を、著者が分かりやすく
2元論多めで対比して書いてくれているのが魅力的な点です。


ホワイトカラーブルーカラー

ジェネラリストスペシャリスト

形式知暗黙知

そして、人間コンピューター


これらの違いと、それぞれの事柄について、どう考え、どう進んでいくべきか。
様々な答えが詰まっています


恐らく、こういった事柄を意識せずにあと10年も生きていったら、間違いなく、自分で考えることない、コンピューターに使われる側の人間として魔法をかけられ続ける側の人間として生きていくことになると思います。

4.筆者はどういう人?

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出典:http://96ochiai.ws/Yoichi_Ochiai/index.html

著者は大学の助教であり、メディアアーティストとしても活動している落合陽一先生です。


研究者としても超優秀で、アメリカの the WINが世界最先端の研究者を選ぶ「ワールド・テクノロジー・アワード」の IT ハードウェア部門で2015年には日本人としてただ一人選出されています。 


研究室の運営にもクラウドファンディングを適応させたりと、新しい事を色々取り入れて、間違いなく日本を引っ張っていく人達の1人だと思います。

5.本からどういう事を学んだ?

人間とコンピューターの関係性という点については、やはり色々考えさせられる部分があって、非常に勉強になりました。


分かっているはずだった「勉強」と「研究」の違いについても改めて認識させられる部分もあり、コンピューターには無い「モチベーション」を武器に戦っていく決心をさせてくれる本だったように思います。


そして、私の中でもやもやしていて、記事にもした「ナンバーワンとオンリーワン」の話。やはり、専門性を持って、オンリーワンかつナンバーワンにならなきゃいけないということを確信してすっきりしました。

6.似たような本や読みたいと思った本は?

似たような本と言えば、落合陽一先生が書いている「魔法の世紀」です。

本書では具体的な話が多かったのですが「魔法の世紀」では、大きな概念としての「魔法」魔法を作り上げてきた人々の話メディアの変遷などを、学術的な視点で解説されていて、非常に読みごたえがあります。


少し難しめな部分もありますが、「これからの世界を作る仲間たちへ」を副読本として読むと、かなり見えてくる部分があるのではないかなと思います。 


こちらも書評記事をあげていますので、良かったらどうぞ。

おわりに

今年もまだ始まって、3ヶ月しか経っていませんが、2016年の中で一番おすすめできる本なんじゃないかと言う位に良書だと思います。


ただ、全ての人に受け入れられる価値観では無いかもしれないし、全ての人が専門性を獲得していくことも難しいことです。この本は、新しい価値観を得て、これからの活動を考える基盤として活用するのが良いのではないかと感じています。


あと、1点若干の不満があるとすれば、注釈が章ごとについているので、すぐに意味を確認できない点ですかね。特に注釈を読むほど難しい意味では無いものが多いですが、自分の考えている文脈と違う意味合いで使われていたらと思うと確認したくなってまうので...。


魔法の世紀の書店への流通は限られていたみたいですが、本書は広く書店で扱っているようなので、見かけた際には手に取ってみて欲しいです。では、また。 

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